引き寄せ読み聞かせイソップ きつねとつる

ある日、きつねがつるを見つけて、

つるをからかってやろうと思い食事に誘いました。

「つるくん、僕のうちに食事においでよ!」

つるは喜んで言いました。

「うれしい!ありがとう!」

「さあ、どうぞ」

きつねの家に来たつるに、

きつねはたいらなお皿でスープを出しました。

つるはたいらなお皿をコツコツつつくばかりで

スープを飲むことができません。

つるは思いました。

(きつねくん、僕をからかっているんだな、ひどい・・!)

(でも、こんな時はどうしたら楽しくできるか考えるんだ!)

しばらくして、悲しい気持ちや怒った気持ちが落ち着いた時、

つるはふとあることを考えつきました。

「きつねくん、パンはあるかい?」

とつるが尋ねると、

きつねは笑って言いました。

「あるよ!古くなって固くなったパンならね!」

と、固くなったパンをつるに投げて渡しました。

つるは、その固くなったパンをちぎってスープに浸すと、

「きつねくん!きみのスープはとってもおいしいね!」

と、おいしそうに食べ始めました。

「あぁお腹いっぱい、ごちそうさまでした!今日はどうもありがとう!」

つるがお皿を空っぽにすると、

きつねはくやしそうに

「どういたしまして・・」

と言いました。

さて、それからどれくらい過ぎたころでしょうか。

ある時きつねが歩いていると

道に長い行列ができていました。

並んでいる動物たちが

「とってもおいしいスープなんですって!楽しみだわ!」

と話しているのが聞こえました。

きつねが行列の先頭まできた時、

素敵な看板が目に入りました。

「つるのレストラン・モチモチパンスープ」

そこへつるがお店から出てきて言いました。

「やぁきつねくん!

きみのうちで食べたパンスープがおいしくて、お店を出してみたんだよ!

そうしたら、ほら!ごらんの通り大繁盛さ!

きみがたいらなお皿でスープを出してくれたおかげだ。

スープに固いパンが合うこともあの時初めて分かったよ!

本当にありがとう!

今日はお礼にうちのパンスープを食べて行っておくれ!」

きつねはくやしい気持ちでスープを食べました。

(くやしい・・!意地悪をしてやろうと思ったのに・・!)

そこへ、つるがほほえみながらやってきました。

きつねはつるに言いました。

「ぼくは、つるくんに意地悪をしてやろうと思ったんだ。

つるくんはあの時嫌な気持ちにならなかったのかい?」

つるは答えました。

「もちろん嫌な気持ちになったさ。

でも、どうしたら楽しい気持ちになれるかなと考えただけだよ。」

きつねは、スープを飲みながら考えました。

(楽しい気持ち、だと・・!?)

(僕は今悔しい気持ちだ!)

(でも、楽しい気持ち・・!?)

すると、ふと思いました。

(・・このスープ、こうしたらもっとおいしくなるんじゃないかな?)

きつねはつるに言いました。

「このスープ、こうしたらもっとおいしくなると思うんだけど」

つるは喜んで言いました。

「つるくんのスープの味ができないなと思っていたんだよ!

レストランで一緒にスープを作ってくれないか?」

それから、お店の看板は「きつねとつるのレストラン」に変わり、

もっともっと長い行列ができるようになりましたとさ。

おしまい

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コメント

  1. さくらんぼ より:

    runさんに

    引き寄せ的絵本、いいね(o^^o)!!